- 2025.03.13
安心・安全のインプラント治療(総まとめ)
皆様、こんにちは。
まこと歯科・矯正歯科の院長、木村誠です。
インプラント治療は、歯を失った方にとって「しっかり噛める」喜びを取り戻すための優れた治療法ですが、「手術が怖い」「安全性が心配」「どれくらい長持ちするの?」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
当院では、10年以上のインプラントの臨床経験を活かし、患者様が安心してインプラント治療を受けられるよう、安全性を最優先した治療を心がけております。CTによる精密診断、痛みや腫れを抑える低侵襲治療、正確な埋入を実現するサージカルガイドの活用、そして治療後のメンテナンスまで、すべてのステップで安心していただける体制を整えています。
また、インプラントは治療後のケアが重要です。長期的にしっかり機能するためには、適切なメンテナンスと、もしもの場合に備えた保証制度も欠かせません。当院では、患者様が長く快適にインプラントを使い続けられるよう、万全のサポート体制を整えています。
今回のブログでは、インプラント治療の基礎知識から、安全に治療を受けるためのポイント、そして治療後の保証制度まで詳しく解説いたします。これからインプラント治療を検討されている方にとって、少しでも不安を解消できる内容になれば幸いです。
1. はじめに
インプラント治療は、歯を失った方が自然な噛み心地と美しい口元を取り戻すための素晴らしい選択肢ですが、「手術の安全性」や「治療後のトラブル」について不安を感じる方も少なくありません。特に、インプラントは外科手術を伴うため、適切な診断や技術、アフターケアがなされていない場合、リスクを伴う可能性があります。
私たち まこと歯科・矯正歯科 では、患者様が 安心して安全にインプラント治療を受けられるよう、新しい歯科技術の導入と豊富な臨床経験を活かし、リスクを最小限に抑えた治療を提供 しています。CTスキャンによる精密な診断、痛みや腫れを抑える低侵襲な治療方法、正確な埋入を可能にするサージカルガイドの活用、そして治療後のメンテナンスまで、すべてのステップで安全対策を徹底しています。
歯科技術がもたらす治療の進化
近年の歯科医療の進歩により、インプラント治療は従来より さらに精密かつ低侵襲な方法 で行えるようになっています。例えば、フラップレス手術(切らないインプラント治療) では、歯肉を大きく切開せずにインプラントを埋入することで、術後の痛みや腫れを大幅に軽減できます。また、抜歯即時インプラント により、抜歯と同時にインプラントを埋入することで治療期間を短縮し、患者様の負担を減らすことが可能になりました。
さらに、サージカルガイド(インプラント手術用の精密なガイド装置) の活用により、より正確で安全なインプラント埋入が実現しています。これにより、従来の手術と比較して、骨のダメージを最小限に抑えながらインプラントを埋入できるため、患者様にとってより安心な治療を提供できるのです。
このブログでは、当院が提供する 安心・安全なインプラント治療 のための取り組みについて詳しくご紹介いたします。患者様の不安を解消し、より快適な治療を受けていただくための情報を分かりやすく解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
2.安全なインプラント治療のための事前診査
インプラント治療を安全に行うためには、事前の診査・診断が非常に重要です。特に、顎の骨の状態や歯周組織の健康状態、さらには全身の健康状態を総合的に評価することで、治療の成功率を高め、リスクを最小限に抑えることができます。このパートでは、インプラント治療の事前診査において重要なポイントを詳しくご紹介します。
CTスキャンによる精密診断の重要性
インプラント治療では、顎の骨の状態を正確に把握することが欠かせません。そのため、当院ではCTスキャン(歯科用3D画像診断装置)を活用した精密診断を行っています。CTスキャンを使用することで、従来の二次元のレントゲンでは確認できなかった以下のような情報を詳細に把握することが可能です。
当院には、CTを完備しております。
実際のCT画像とインプラントのシミュレーション画像
✅ 顎の骨の厚み・高さ・密度の確認
フィクスチャー(インプラント体)はしっかりと骨の中に埋入する必要があります。またインプラントの周囲の骨は、上部構造をセット後、ある一定度の骨吸収が起こると言われているため、術前に骨量がどの程度あるかを調べておくことは、非常に重要となります。また骨密度はインプラントの固定値などにも影響を与えると言われており、特に非常に柔らかい骨の場合、インプラントの固定を得られにくく、また逆に硬すぎる骨は、ドリリングが難しく、火傷の原因なることもあるため、事前に顎骨の状態を精査しておくことは、非常に重要となります。
✅ 神経や血管の位置の把握
神経とインプラントとの位置関係。
特に下顎の臼歯部(奥歯)にインプラント治療を行う際、顎骨内の神経の走行位置を把握するのは、非常に重要です。神経までドリリングしたり、フィクスチャー(インプラント体)を埋入すると神経が断裂し、知覚麻痺を生じてしまいます。そのため術前に神経までの距離を測っておくことで、そのような事故を防ぐことができます。
矢印の部分に¥は、後歯槽動脈を示します。上顎洞挙上術(サイナスリフト)を行う際、後歯槽動脈を傷つけてしまうと大出血につながるため、CTでの血管の走行の把握は必須です。
✅ 骨の欠損部位や異常の有無のチェック
上記写真は、上顎洞挙上術を必要とする患者様のCT像です。矢印の部分に注目すると、正常であれば、黒く(透過像)として写ります。しかし上顎洞の部分が白く曇っている(不透過像)の場合は、何らかの異常があるので、インプラント手術前に耳鼻科にて精査が必要になります。
このように顎骨内・外には、神経や血管の他に嚢胞やごく稀に腫瘍なども発見されることがあります。そのためインプラント治療に先立ち、それらの病変によって支障が起こらないかを事前に把握しておく必要があります。
このようにCTスキャンを活用することで、インプラントを埋入する位置をより精密に計画し、神経や血管を傷つけるリスクを抑えることができます。また、骨の密度が十分でない場合には、適切な骨補填材を用いた治療計画を立てることができるため、安全なインプラント治療につながります。
歯周組織や咬合の状態の確認
🔹 歯周病の有無:歯周病が進行していると、インプラントの周囲に炎症が起こりやすく、治療の成功率が下がる可能性があります。そのため、事前に歯周病治療を行い、口腔内の健康を整えることが重要です。
奥歯の欠損と前歯の歯周病を認める患者様の口腔内
左右の奥歯が欠損した状態が長期に及んだため、前歯に負担がかかってしまい歯周病が進行したと推測されます。
前歯のレントゲンをとると重度に歯周病が進行していることが分かります。
歯周病により歯を失った方に、インんプラント治療を行う場合、インプラント周囲炎にもなりやすいため、しっかりと歯周病をコントロールする必要があります。
🔹 噛み合わせのチェック:インプラントは単独で機能するのではなく、周囲の歯と連携して噛み合わせを形成します。噛み合わせのバランスが悪いと、インプラントに過度な負担がかかり、破損や脱落のリスクが高まるため、事前に調整を行います。
当院のインプラント前検査では、模型での診査を行い、噛み合わせの精査を十分行います。噛み合わせが原因で歯を失うリスクが高くなることもあるため、非常に重要な診査となります。
全身の健康状態(糖尿病・喫煙など)の影響
インプラント治療は外科手術を伴うため、全身の健康状態が治療結果に大きく影響します。特に、以下のような健康状態に注意が必要です。
🩺 糖尿病:糖尿病は傷の治癒を遅らせるため、インプラントの定着に影響を与える可能性があります。血糖値が安定している場合は治療が可能ですが、事前に医師と相談し、適切なコントロールが必要です。
🚬 喫煙:喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、インプラントの成功率を低下させる要因となります。手術前後の禁煙が推奨され、長期的なメンテナンスのためにも禁煙を検討することが望ましいです。
🦷 骨粗しょう症:骨の密度が低いとインプラントの安定性が得られにくいため、骨の状態を事前に評価し、必要に応じて骨補填を行います。
💊 服用中の薬剤の影響:骨代謝に関与するビスフォスフォネート製剤などを服用している場合、顎の骨の治癒に影響を及ぼす可能性があるため、主治医と相談しながら治療を進めます。
まとめ
インプラント治療を安全に行うためには、CTスキャンによる精密診断、骨量や歯周組織のチェック、全身の健康状態の確認が不可欠です。これらを徹底することで、より長持ちするインプラント治療を実現できます。当院では、患者様一人ひとりに合わせた安全な治療計画を立案し、安心してインプラント治療を受けていただける環境を整えております。
インプラントをご検討の方は、まずは精密診査を受け、ご自身の状態を確認することから始める必要があります。
3.インプラント周囲組織の構築
インプラント治療を成功させるためには、単にインプラントを埋入するだけでなく、周囲の骨や歯ぐき(軟組織)を適切に整えることが重要です。特に、インプラントを支える骨の確保とインプラント周囲の粘膜(歯ぐき)の確保が治療の長期的な安定性を左右します。このパートでは、インプラント周囲組織の構築に必要な治療法について詳しく解説します。
インプラント治療部位の骨量の確保(GBRやサイナスリフトなど)
インプラント治療では、顎の骨に十分な厚みと高さが必要です。しかし、歯を失った後、骨の吸収が進んでしまい、そのままではインプラントが埋入できないケースもあります。その場合、**骨を増やすための骨造成(こつぞうせい)**を行い、インプラントの安定性を確保します。
GBR(Guided Bone Regeneration:骨誘導再生法)
歯周病により、重度の骨吸収を認めます。この状態では、インプラントを埋入するのは、難しく長期的な予後は望めません。
骨造成処置を行うことで、インプラント埋入が可能になりました。
GBRは、骨の厚みや高さが不足している部位に対し、人工骨や自己骨を移植し、特殊な膜(メンブレン)で覆うことで骨の再生を促す方法です。インプラントを埋入する前または同時に行うことが多く、主に残存骨量の状況により変わります。インプラントの初期固定が得られないほど高度に骨吸収している場合は、1回目の手術ではGBRのみ行い、治癒を待って2回目の手術の際インプラントを埋入します。場合によっては、再度GBRを行うこともあります。
GBRを適切に行うことで、インプラントがしっかりと固定され、長期的な安定性を得ることが可能となります。
サイナスリフト(上顎洞挙上術)
上顎臼歯部は、直上に上顎洞(副鼻腔の一つ)があり、インプラント治療を行う際、骨量の不足から度々問題を生じます。
(図は、朝日レントゲンneodental-iから引用)
上図のように上顎洞に骨増生を行うことで、インプラント埋入を安心してできるようになります。
(図は、朝日レントゲンneodental-iから引用)
上図のように上顎洞挙上術を行うことで、インプラント周囲に十分な骨量を確保できます。
(図は、朝日レントゲンneodental-iから引用)
上顎の奥歯の部位では、骨の高さが不足しているケースが多いため、そのままではインプラントを埋入できない場合があります。そのような場合に行うのがサイナスリフトと呼ばれる骨造成手術です。現在一般的に、8〜10mmの長さのインプラントを埋入します。この長さを確保できる垂直的な骨量を有する方は、少ないため、何らかの上顎洞挙上術が必要になることが多い。
サイナスリフトには以下の2つの方法があります。
1️⃣ ラテラルアプローチ(側方アプローチ)
ラテラルアプローチによる上顎洞挙上術。(図は、朝日レントゲンneodental-iから引用)
(図は、朝日レントゲンneodental-iから引用)
当院でのラテラルアプローチによる上顎洞挙上術の一例。術前上顎洞までの垂直的な骨量は2㎜程度しかなく、このままでは、インプラント治療が難しい状態でした。
上顎洞挙上術を行った直後のCT像。
上顎洞挙上術から約6ヶ月後。十分な骨量を認めたため、安心してインプラント埋入をすることができました。
・上顎洞(副鼻腔)の側面に小さな開口部を作り、骨補填材を挿入する方法
・骨の高さ(垂直的骨量が4mm以下)が極端に不足している場合に適応
・難易度が非常に高い
・初期固定が得られる場合は、骨造成と同時にインプラントを埋入することもある。しかし骨量が少ない場合は、骨造成処置のみ行い、6ヶ月程度待ったあとインプラントを埋入する必要があるため治療期間が長くなることが多い。
当院では、ラテラルアプローチによるサイナスリフトを行なっておりますので、上顎洞に骨が極端に少ない場合でもインプラント治療が可能です。
2️⃣ クレスタルアプローチ(歯槽頂アプローチ)
クレスタルアプローチによる上顎洞挙上術 (朝日レントゲンneodental-iから引用)
骨補填剤を填入します。 (朝日レントゲンneodental-iから引用)
・インプラント埋入部位の歯茎側からアプローチし、上顎洞を持ち上げる方法
・骨の高さがある程度残っている場合(垂直的骨量が5mm以上)に適応
・インプラント埋入と同時に行うことができる。ラテラルアプローチに比べ、患者様の身体への負担は少ないことが多い。
サイナスリフトを行うことで、上顎の骨の高さを確保し、インプラントを安定して埋入できる環境を整えることができます。
インプラント治療部位の十分な粘膜量の確保(遊離歯肉移植術や結合組織移植術など)
インプラント治療では、インプラント周囲の粘膜(歯ぐき)の厚みや質も重要です。歯ぐきが薄かったり、インプラント周囲に角化歯肉(硬くて丈夫な歯ぐき)が不足していたりすると、細菌感染のリスクが高まり、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。
遊離歯肉移植術(Free Gingival Graft: FGG)
治療前の状態。歯肉はメタルコア(金属の土台)の影響により黒変していることがわかります。またインプラント予定部位には、角化粘膜がほとんどないことがわかります。
上顎の口蓋部から遊離歯肉を移植した状態
インプラント上部構造装着時の状態。
術後2年時の状態。インプラント周囲組織は非常に安定した状態が続いており、現在は術後3年になりますが、特に問題なく経過しております。
遊離歯肉移植術は、口蓋(上あごの内側)から角化歯肉を採取し、インプラント周囲に移植する方法です。この方法によって、インプラント周囲に硬くて丈夫な歯ぐきを確保し、以下のようなメリットを得ることができます。
🔹 細菌感染のリスクを低減
🔹 ブラッシングしやすい環境を作る
🔹 歯ぐきの後退を防ぐ
手術する箇所が2箇所になるため、患者様の身体への負担は大きいですが、インプラントの長期安定を考えた場合に必要になることがあります。
特に、インプラント周囲の角化粘膜が少ないケースでは、この手術が推奨されます。
結合組織移植術(Connective Tissue Graft: CTG)
インプラントの2次手術時に結合組織移植術を併用。矢印で囲った部分が口蓋から採取した結合組織。
縫合し、安定を図ります。
結合組織移植術は、歯ぐきのボリュームを増やすための手術です。通常、口蓋(上あごの内側)から結合組織を採取し、不足している部位に移植します。この方法には以下のメリットがあります。
✅ 審美性の向上(特に前歯のインプラントでは、自然な見た目を作るために有効)
抜歯後、骨及び粘膜が吸収する(痩せる)と言われております。
✅ 歯ぐきの厚みを増やし、長期的な安定性を確保
他院で治療された前歯部のインプラント治療例。粘膜が薄い方は、長期的な経過を見ると、このような感じでインプラント周囲の軟組織が退縮してしまい、審美的に問題が出てくることがあります。
天然歯同様にインプラントも周囲粘膜が厚いことで
✅ インプラント周囲の組織を強化し、インプラント周囲炎のリスクを低減
結合組織移植術は、特に審美性を重視する前歯部のインプラントや歯ぐきが極端に薄い症例において、非常に有効な方法です。
まとめ
インプラントの長期的な成功には、インプラントを支える骨と、それを守る歯ぐきの状態を整えることが不可欠です。
🔹 骨量が不足している場合は、GBRやサイナスリフトによって適切に骨を造成し、インプラントがしっかり固定される環境を整えます。
🔹 歯ぐきの厚みや質が不十分な場合は、遊離歯肉移植術や結合組織移植術を行い、感染のリスクを減らし、より自然で美しい仕上がりを目指します。
これらの処置を適切に行うことで、インプラントが長く機能し、美しく健康な口元を維持できる環境を作ることが可能です。
インプラント治療をご検討の方は、まずは骨と歯ぐきの状態を詳しく診査し、最適な治療計画を立てることが大切です。ご不明な点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
4.痛みや腫れを抑える治療技術
インプラント治療に対して、「痛みや腫れが心配」と感じる患者様は少なくありません。しかし、近年の技術革新により、痛みや腫れを最小限に抑える低侵襲(ミニマルインターベンション)な治療法が普及しつつあります。このパートでは、低侵襲治療技術であるフラップレス手術、抜歯即時インプラントについて詳しく解説します。
**ミニマルインターベンション(Minimal Intervention:MI)**とは、できるだけ歯や骨、歯ぐきにダメージを与えず、最小限の侵襲で治療を行う考え方です。近年のインプラント治療では、この概念が重要視され、患者様の負担を軽減しながら治療を進める技術が導入されています。
フラップレス(最小限の切開)手術とは?
インプラント治療前。
フラップレスによるインプラント手術後の口腔内写真。出血もほとんど認めません。
インプラント手術から4ヶ月弱で最終上部構造をセットし、治療終了。
従来のインプラント手術では、**歯ぐきを切開して骨を露出させる「フラップ手術」が一般的でした。しかし、近年ではフラップレス手術(切らないインプラント手術)**が導入され、患者様の負担を大幅に軽減できるようになっています。
私の実感としては、フラップレス手術でインプラント治療が可能な方は、割合としては少ないです。しかし抜糸も必要ありませんし、患者様が来院した時の様子を見ると通常のインプラント手術に比べ、かなり身体への負担は少ないように感じます。
フラップレス手術の特徴
🔹 歯ぐきを切開しない
🔹 最小限の穴を開けるだけでインプラントを埋入
🔹 手術時間が短縮される
🔹 術後の痛み・腫れ・出血が少ない
フラップレス手術のメリット
✅ 痛みや腫れが少ない
従来のフラップ手術では、歯ぐきを切開・剥離するため術後の腫れや痛みが出やすいですが、フラップレス手術ではこれを最小限に抑えることができます。
✅ 術後の回復が早い
傷口が小さいため、治癒が早く、日常生活への影響が少なくなります。
✅ 出血が少ない
特に、持病をお持ちの方や血液をサラサラにする薬を服用している方にも適用しやすい治療法です。
フラップレス手術の適応
フラップレス手術は、
❶骨の状態が良好で、十分な骨量が確保されている。
インプラント周囲に2㎜以上の骨幅が確保できる症例。
❷角化粘膜量が十分確保される症例
パンチアウトする際に、可動粘膜まで2㎜ない場合は、通常のフラップを開ける手術が必要になります。
そのため、すべての症例に適応できるものではありませんが、❶、❷の条件を満たす症例であれば、非常に有益な治療です。
事前のCTスキャンや診査が重要となります。個別の診断が必要です。
抜歯即時インプラントのメリットと適応
抜歯後即時にインプラントを埋入した後の口腔内写真。
従来のインプラント治療では、抜歯後に数ヶ月間待ち、骨が回復してからインプラントを埋入するのが一般的でした。しかし、最近では、**抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント」**が可能となり、治療期間の短縮が実現されています。
抜歯即時インプラントのメリット
✅ 治療期間の短縮
通常のインプラント治療では、抜歯後に骨が回復するのを待つため、治療全体に数ヶ月を要します。抜歯即時インプラントでは、この期間を短縮し、1回の手術で抜歯とインプラント埋入が完了します。
✅ 骨の吸収を防ぐ
抜歯後は、時間の経過とともに骨が吸収されることがあります。抜歯即時インプラントでは、歯を抜いたその場にインプラントを埋入するため、骨の吸収を最小限に抑えられます。
✅ 歯ぐきの形態を維持しやすい
特に前歯部では、抜歯後に歯ぐきが痩せてしまうことが問題になります。抜歯即時インプラントを行うことで、審美的な仕上がりを維持しやすくなります。
✅ 手術回数が少ない
通常のインプラント治療では、「抜歯→骨の回復→インプラント埋入→被せ物の装着」と、複数回の手術が必要ですが、抜歯即時インプラントでは、手術回数を減らせるため、患者様の負担が軽減されます。
抜歯即時インプラントの適応
抜歯即時インプラントは、以下のような条件を満たす場合に適応可能です。
🔹 抜歯部位の感染がない(重度の炎症や膿がある場合は適応外)
🔹 インプラントを支えるのに十分な骨が残っている
🔹 初期固定がしっかり得られる
まとめ
インプラント治療は進化を続けており、従来よりも痛みや腫れを抑えた低侵襲な治療が可能となっています。
🔹 フラップレス手術で最小限の切開にてインプラント埋入
🔹 抜歯即時インプラントで治療期間を短縮し、骨や歯ぐきを守る
これらの技術を活用することで、より快適で安心できるインプラント治療を実現できます。
インプラント治療の安全対策
インプラント治療を成功させるためには、正確な埋入、インプラントの品質、そして安全な治療環境が不可欠です。近年の技術革新により、より精密で安全性の高いインプラント治療が可能になっています。このパートでは、インプラント治療の安全対策としてサージカルガイドの活用、インプラント表面処理技術の進化、滅菌対策と院内感染防止について詳しく解説します。
サージカルガイドを活用した正確な埋入
インプラント治療では、インプラントを正確な位置・角度・深さで埋入することが非常に重要です。誤った位置に埋入すると、噛み合わせの問題、インプラントの脱落、神経損傷のリスクが高まるため、正確な埋入が求められます。
サージカルガイドとは?
実際のサージカルガイド。
サージカルガイドを口腔内に装着した状態。
サージカルガイドにあるガイドホールにドリルを入れて、ドリリングを行うため、ヒューマンエラーが最小限に抑えられる。
**サージカルガイド(Surgical Guide)**は、CTスキャンやデジタル技術を活用し、インプラント埋入の正確な位置を導くための装置です。患者様の口腔内を3Dスキャンし、インプラントの最適な埋入位置をシミュレーションした後に、専用のガイドを作成します。
サージカルガイドのメリット
✅ インプラントの埋入精度が向上する
事前のシミュレーションに基づいて手術を行うため、正確な位置・角度・深さで埋入できます。
✅ 神経や血管の損傷リスクを低減
下顎の大きな神経(下歯槽神経)や、上顎洞(副鼻腔)を避けながら安全に埋入できます。
✅ 手術時間の短縮
ガイドを使用することで、スムーズな手術が可能となり、患者様の負担を軽減できます。
✅ 痛みや腫れの軽減
フラップレス手術(歯ぐきを切らずに行う手術)にも応用可能で、術後の痛みや腫れを抑えられます。
サージカルガイドを活用することで、より精密で安全なインプラント治療を提供することが可能となります。
インプラント表面処理技術の進化(SLA ACTIVEなど)
インプラントの成功には、インプラントと骨がしっかり結合すること(オッセオインテグレーション)が不可欠です。そのため、近年ではインプラントの表面処理技術が進化し、より短期間で骨と結合しやすいインプラントが開発されています。
SLA表面処理とは?
ストローマン社ホームページから抜粋
SLA(Sandblasted, Large grit, Acid-etched)処理は、インプラント表面を粗くすることで、骨との結合を促進する技術です。具体的には、以下の工程を経てインプラントが製造されます。
1️⃣ サンドブラスト処理:インプラントの表面に微細な凹凸をつけ、骨との接触面積を増やす
2️⃣ 酸エッチング処理:さらに細かい凹凸をつけ、骨細胞が付着しやすい状態を作る
SLA処理により、骨との結合速度が向上し、インプラントの安定性が高まるため、治療期間の短縮にも貢献します。
SLA ACTIVEとは?
SLA ACTIVEは、従来のSLA処理にさらに改良を加え、インプラント表面に親水性を持たせる技術です。これにより、以下のようなメリットがあります。
✅ 骨との結合スピードが向上
親水性を高めることで、血液や骨細胞がインプラント表面に吸着しやすくなり、骨と結合するまでの時間が短縮されます。
✅ 治療期間の短縮
通常のインプラントでは骨と結合するまで約3〜6ヶ月かかることが一般的ですが、SLA ACTIVEインプラントでは約4〜6週間で安定するケースもあります。
✅ 初期固定が不十分な症例にも対応可能
骨の密度が低い患者様でも、短期間でしっかり固定されるため、より多くの症例に適応できます。
このように、最新のインプラント表面処理技術を活用することで、治療期間の短縮や成功率の向上が期待できます。
滅菌対策と院内感染防止の取り組み
インプラント治療は外科手術を伴うため、感染対策が非常に重要です。院内感染を防ぎ、安全な環境で治療を受けていただくために、以下の取り組みを行っています。
① 使用器具の徹底的な滅菌
当院では、以下のような最新の滅菌システムを導入し、すべての治療器具を適切に管理しています。
🔹 オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)
135℃の高温・高圧で細菌やウイルスを死滅させ、インプラント手術器具を徹底的に滅菌します。
🔹 超音波洗浄機
手洗いでは除去しきれない微細な汚れや血液を、超音波の力でしっかり除去します。
🔹 ディスポーザブル(使い捨て)器具の活用
可能な限り使い捨て製品を使用し、患者様ごとに新しい器具を用いることで、感染リスクを最小限に抑えます。
② 清潔な治療環境の維持
院内感染を防ぐため、診療室や手術室の清潔環境を徹底しています。
✅ スタッフの手指衛生の徹底(アルコール消毒・手洗いの徹底)
✅ 診療チェア・器具の使用ごとの消毒
✅ 空気清浄機・滅菌フィルターの設置(クリーンエアシステムによる清浄化)
まとめ
インプラント治療を安全に行うためには、精密な手術、質の高いインプラントの使用、徹底した感染対策が欠かせません。
🔹 サージカルガイドの活用で、より正確で安全なインプラント埋入が可能
🔹 SLA ACTIVEなどの最新技術で、治療期間の短縮と成功率の向上
🔹 徹底した滅菌対策と院内感染防止で、安全な治療環境を提供
患者様が安心してインプラント治療を受けられるよう、当院ではこれらの安全対策を徹底しております。インプラント治療を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
6.治療後のメンテナンスと長期的なインプラントの維持
インプラント治療は、適切なメンテナンスを行うことで長期的に快適に使用することができます。しかし、メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのトラブルが発生し、最悪の場合インプラントが脱落する可能性もあります。このパートでは、インプラントを長く健康に保つためのメンテナンス方法について詳しく解説します。
インプラント周囲炎の予防と定期メンテナンスの重要性
インプラントは人工物であるため、虫歯にはなりません。しかし、天然歯と同じように**歯周病(インプラント周囲炎)**になるリスクがあります。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に細菌が繁殖し、炎症が起こる病気です。進行すると、インプラントを支える骨が溶け、最終的にインプラントが脱落する可能性があります。
🔹 初期症状:歯ぐきの腫れ・出血・軽度の違和感
🔹 進行すると…:インプラント周囲の骨が吸収され、インプラントがグラつく
🔹 最終的に…:インプラントが抜け落ちる
インプラント周囲炎の予防方法
✅ 毎日のセルフケア(正しいブラッシング)
✅ 定期的な歯科医院でのプロフェッショナルメンテナンス
✅ 噛み合わせの調整(インプラントに過度な負担がかからないようにする)
✅ 喫煙を控える(喫煙者はインプラント周囲炎のリスクが高い)
定期メンテナンスでは、インプラントの状態をチェックし、必要に応じてクリーニングや噛み合わせの調整を行います。これにより、トラブルを未然に防ぎ、長く健康にインプラントを維持することができます。
正しいブラッシング方法とメンテナンス習慣
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアが欠かせません。適切なブラッシング方法と、補助的な清掃器具を使用することで、インプラント周囲炎を予防できます。
正しいブラッシング方法
✅ 歯ブラシの選び方
・歯ブラシの毛の硬さは、硬すぎず柔らかすぎずを選択する必要があります。
・通常は、普通の歯ブラシでも十分磨けますが、歯ブラシを動かすのが苦手な方には、電動歯ブラシも効果的(ただし、使い方に注意が必要)
✅ ブラッシングのポイント
・歯ぐきとインプラントの境目を丁寧に磨く(強く磨きすぎない)
・小刻みに優しくブラッシングする
・インプラントの周囲に汚れが残りやすいため、しっかり時間をかける
✅ フロスや歯間ブラシの使用
サンデンタル株式会社のホームページより引用。スーパーフロスの一例。
・インプラントは連結することも多く、連結部は通常の歯ブラシだけでは、磨けないため、歯間ブラシやスーパーフロスを活用して、歯と歯の間の清掃を行う
✅ 抗菌性のある洗口剤を使用する
・インプラント周囲炎を予防するため、クロルヘキシジン配合の洗口剤を使用すると効果的
・また最近は、モンダミンのハビットプロやワンショットの使用を推奨しております。
長期的にインプラントを維持するためのポイント
インプラントは、天然歯と異なり神経がないため、違和感や痛みを感じにくい特徴があります。そのため、気づかないうちにトラブルが進行してしまうこともあります。以下のポイントを守ることで、インプラントをより長く快適に使用することが可能になります。
1. 定期メンテナンスの継続
🔹 3ヶ月〜6ヶ月ごとに歯科医院でメンテナンスを受ける
🔹 **歯科衛生士による専門的なクリーニング(PMTC)**を受ける
🔹 噛み合わせのチェック(インプラントに過剰な負担がかかっていないか確認)
2. 噛み合わせの管理
インプラントは天然歯と異なり、歯根膜がないため衝撃を和らげる機能がありません。そのため、強い噛み合わせの力がかかるとインプラントにダメージを与える可能性があります。
✅ 歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討
✅ 定期的に噛み合わせの調整を行い、負担を分散させる
3. 生活習慣の見直し
健康的な生活習慣を維持することも、インプラントを長く使うためには重要です。
✅ 喫煙を控える
・喫煙はインプラント周囲の血流を低下させ、インプラント周囲炎のリスクを高めます
✅ バランスの取れた食生活を心がける
・カルシウムやビタミンDを積極的に摂取し、骨の健康を維持
✅ ストレスを溜めない
・ストレスによる歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに大きな負担をかけるため注意
まとめ
インプラントを長く健康に維持するためには、適切なセルフケアと歯科医院での定期メンテナンスが欠かせません。
🔹 インプラント周囲炎を予防するために、毎日の適切なブラッシングを心がける
🔹 歯科医院での定期メンテナンス(3〜6ヶ月に1回)を受ける
🔹 噛み合わせを管理し、インプラントに過度な負担をかけない
🔹 喫煙を控え、健康的な生活習慣を維持する
インプラントは、しっかりとケアすれば10年、20年以上機能するといわれています。当院では、患者様一人ひとりに合わせたメンテナンスプランを提案し、インプラントが長く快適に使えるようサポートいたします。
インプラントをより長く健康に保つために、日々のケアと定期的なチェックを欠かさず行いましょう。
7.インプラント治療の保証期間について
インプラント治療は、長期的に機能することが期待される治療法ですが、万が一のトラブルに備えた保証制度があると、より安心して治療を受けることができます。
当院では、患者様に安心してインプラント治療を受けていただけるよう、インプラントの保証制度を設けております。
このパートでは、当院のインプラント保証制度、保証の対象となる条件と内容、保証期間中のメンテナンスの重要性について詳しくご説明します。
当院のインプラント保証制度について
インプラントは、適切なケアを行うことで10年、20年以上の長期にわたり機能することが可能ですが、万が一インプラントが脱落したり、人工歯(上部構造)が破損したりした場合に備え、当院では保証制度を設けています。
当院のインプラント保証制度の特徴
インプラント体はインプラント埋入手術から3年、インプラント上部構造(アバットメントを含む)は装着後3年を保証しております。
更に10年延長保証プランもご用意しておりますので、ご心配な方は、ご相談して頂けますと幸いです。
✅ 万が一のトラブルにも対応
✅ 定期的なメンテナンスを受けることで保証を継続
保証期間内に万が一問題が発生した場合は、一定の条件のもとで再治療を行います。
ただし、保証制度を適用するには、定期的なメンテナンスに通っていただくことが条件となります。
保証の対象となる条件と内容
インプラントの保証制度は、一定の条件を満たす場合に適用されます。
以下のケースでは、保証の対象となり、当院にて再治療を行います。
✅ 保証の対象となるケース
🔹 インプラントが脱落した場合(通常の使用状態で、骨と結合しなかった場合)
🔹 インプラント体に不具合が生じた場合(製品不良など)
🔹 人工歯(上部構造)が破損した場合(正常な使用状態での破損)
上記のケースにおいては、保証の範囲内で再治療を行います。
ただし、以下のケースでは保証の対象外となるため、注意が必要です。
❌ 保証の対象外となるケース
🔸 外傷や事故によるインプラントの破損・脱落
🔸 患者様の不注意によるインプラントの損傷(硬いものを強く噛んでしまった場合など)
🔸 定期メンテナンスを受けていない場合
🔸 喫煙や歯ぎしりなど、インプラントに悪影響を与える習慣がある場合
🔸 全身疾患(糖尿病・骨粗しょう症など)により、インプラントの定着が困難になった場合
保証制度を適用するためには、定期的なメンテナンスを受けることが必要不可欠です。
保証期間中のメンテナンスの重要性
インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
当院では、インプラントの保証制度をご利用いただくために、3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンスを推奨しております。
✅ メンテナンスの重要なポイント
1️⃣ インプラント周囲炎の予防
→ インプラントの最大の敵は「インプラント周囲炎」です。歯周病と同じように、プラーク(歯垢)や歯石が付着すると炎症が起こり、骨が吸収されることがあります。定期的なクリーニングでこれを防ぎます。
2️⃣ 噛み合わせのチェック
→ インプラントは人工物のため、天然歯とは異なる噛み合わせの力がかかることがあります。 定期的に噛み合わせを確認し、インプラントに過度な負担がかからないように調整します。
3️⃣ 人工歯(上部構造)の状態確認
→ セラミックなどの人工歯は、長期間使用すると摩耗や破損が生じることがあります。早期発見・修理を行うことで、大きなトラブルを防ぐことができます。
4️⃣ 生活習慣の見直し
→ 喫煙や歯ぎしり(ブラキシズム)などの習慣は、インプラントの寿命を縮める原因となります。必要に応じて、ナイトガード(マウスピース)の装着を推奨することもあります。
✅ 保証を継続するためのメンテナンス頻度
当院の保証制度を適用するためには、3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンスの受診が必要です。
メンテナンスを怠ると、保証制度が適用されない場合がありますので、必ず受診してください。
まとめ
インプラント治療は、適切なケアを行うことで長期間機能し、快適な口腔環境を維持することが可能です。
当院では、万が一のトラブルに備えたインプラント保証制度を設け、患者様に安心して治療を受けていただける環境を整えております。
✅ 保証制度を利用するためには、定期メンテナンスが必須
✅ 保証対象は、通常使用でのインプラントの脱落や人工歯の破損など
✅ 保証期間中でも、外傷や不適切な使用によるトラブルは対象外
✅ インプラント周囲炎の予防、噛み合わせチェックなどがメンテナンスの重要ポイント
当院では、インプラントを長く快適に使用していただくために、専門的なメンテナンスを提供しています。
インプラント治療をお考えの方は、ぜひ安心の保証制度と長期的なケアについてご相談ください。
8.よくあるご質問(FAQ)
インプラント治療を検討されている方から、よくいただくご質問をまとめました。
「痛みはあるのか?」「治療期間は?」「骨が少なくてもできる?」「費用や保険適用」「保証期間内のトラブル対応」 など、疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう詳しく解説します。
Q1. インプラント治療は痛いの?
A. ほとんどの患者様が「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。
インプラント手術は局所麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
また、当院では**「フラップレス手術(切らないインプラント)」や「低侵襲治療」** を導入し、痛みや腫れを最小限に抑える工夫 を行っています。
🔹 手術後の痛みについて
術後に多少の痛みや腫れを感じることがありますが、痛み止め(鎮痛剤)を服用することでほとんどの方が問題なく過ごせます。
痛みのピークは 手術後1~2日程度 で、1週間もすれば落ち着くことがほとんど です。
🔹 痛みを抑えるための工夫
✅ フラップレス手術(歯ぐきを切らずに行う手術)や抜歯即時インプラントを積極的に行っております。
✅ 術後の適切なケアと薬の処方
✅ CTを活用した精密診断による正確な手術
Q2. 治療期間はどれくらい?
A. インプラントの種類や骨の状態によりますが、一般的に 3~12ヶ月程度 かかります。
インプラント治療は、顎の骨とインプラントがしっかり結合するまでの期間が必要 です。治療の流れによって、治療期間は以下のように異なります。
🔹 抜歯即時インプラントの場合(最短)
→ 3~4ヶ月程度(抜歯と同時にインプラント埋入を行うため、治療期間が短縮)
🔹 通常のインプラントの場合
→ 4~6ヶ月程度(抜歯後に骨の回復を待ち、インプラントを埋入)
🔹 骨造成(GBRやサイナスリフト)が必要な場合
→ 6ヶ月~1年程度(骨を増やす処置を行うため、治療期間が長くなる)
Q3. 骨が少ない場合でもインプラントは可能?
A. 骨の状態によって、骨を増やす処置を行うことでインプラントが可能になるケースが多いです。
顎の骨が足りないとインプラントを支えることができないため、そのままでは治療が難しいことがあります。
しかし、骨造成(骨を増やす治療)を行うことで、インプラントが可能になるケースが多い です。
🔹 骨を増やす方法
✅ GBR(骨誘導再生法) → 骨が不足している部分に人工骨や自家骨を移植し、再生を促す方法
✅ サイナスリフト(上顎洞挙上術) → 上顎の奥歯に骨が足りない場合、骨を増やしてインプラントを可能にする手術
✅ ソケットリフト → 上顎の骨の高さが少し足りない場合に行う、比較的負担の少ない方法
当院では、CT撮影による精密診断 を行い、患者様の骨の状態を詳しく確認したうえで、適切な治療計画をご提案します。
Q4. 費用や保険適用についての疑問解消
A. インプラントは自由診療(自費診療)となり、健康保険は適用されることは非常に少ないため、高額になることが多い。当院では、デンタルローンでのお支払いなども可能ですので、一括でのお支払いが難しい方でもインプラント治療を受けやすくなっております。なお、現金、クレジットカード、デンタルローンなど多様な方法でお支払い可能です。
🔹 インプラント治療の費用相場
✅ 1本あたり → 約40万~50万円程度(インプラント体+上部構造+手術費用)
✅ 骨造成が必要な場合 → 追加費用が発生(5万~20万円程度)
🔹 インプラント治療が保険適用になるケース 一部の特殊なケースでは、健康保険が適用されることがあります。
例えば、先天的な疾患や事故による歯の欠損 で、インプラントが必要と判断された場合、保険適用の対象になることがあります。ただし、適応になる方は、非常に少ないのが現状です。
🔹 医療費控除について インプラント治療は、医療費控除の対象 となります。
年間の医療費(インプラント治療費を含む)が10万円以上 かかった場合、確定申告を行うことで所得税の還付を受けることができます。
Q5.歯科医院によって費用が違うのはどうして?
A.インプラントの費用が医院によって異なる理由
インプラント治療の費用は、医院ごとに大きく異なることがあります。その理由として、以下のような要因が影響しています。
① インプラントのブランドの違い
インプラントにはさまざまなブランドがあり、それぞれ品質や研究開発の歴史、臨床データの豊富さが異なります。有名なブランドほど研究が進んでおり、信頼性が高い一方で、価格も高くなる傾向があります。
代表的なインプラントブランドの例
- ストローマン(Straumann)(スイス)
- ノーベルバイオケア(Nobel Biocare)(スウェーデン)
- アストラテック(Astra Tech)(スウェーデン)
- ジンマー・バイオメット(Zimmer Biomet)(アメリカ)
- 京セラ・ブローネマルク(Kyocera)(日本)
- オステム(Osstem)(韓国)
高品質で信頼性のあるインプラントほど価格が高くなるため、医院の選択するブランドによって治療費が異なります。
② 上部構造(被せ物)を作製する技工所と技工料の違い
前歯の例。矢印の歯がインプラントです。
奥歯の例。矢印の歯がインプラント
インプラントの上部構造(クラウンやブリッジなどの被せ物)は、歯科技工士が作製します。技工所の違いによって、精度・審美性・耐久性が異なるため、費用にも差が出ます。
- 高品質な技工所では、経験豊富な技工士がセラミックやジルコニアを用いて精密な補綴物を製作し、審美性や耐久性に優れます。その分、技工料が高くなる傾向があります。
- 一般的な技工所では、比較的低コストで作製できますが、精度や耐久性に違いが出る可能性があります。
また、オールセラミック・ジルコニア・メタルボンドなどの素材の違いによっても価格が変わります。
当院では、熟練した技工士の先生とチームを組み、治療をしております。
③ インプラント治療に使用するその他の材料の違い
ストローマンジャパンのホームページから引用
上記の写真は、主に再生療法の際に用いるエムドゲインという薬剤です。インプラント手術時にも使用することで、治りを促進する働きがあるため、患者様の術後症状の軽減に繋がります。ただし、これらの薬剤を使用した場合、治療費が高くなることがあります。
他にもインプラント治療では、手術時にさまざまな材料を使用します。これらの品質やメーカーによっても、治療費が変わることがあります。
使用される主な材料
- アバットメント(インプラントと上部構造をつなぐ部品)
- チタン製、ジルコニア製などがあり、材質によって価格が異なります。
- 骨補填材(GBR・サイナスリフトなどの骨造成用材料)
- 人工骨、自己骨、他家骨など、使用する材料の種類やメーカーによって費用が異なります。
- 歯肉形成のための材料
- 歯肉をより自然に仕上げるために、特殊な材料や処置が必要になる場合があります。
④ 治療オプションや追加処置の違い
角化粘膜の獲得のために、FGG(遊離歯肉移植術)を行った術後の口腔内写真。
患者の口腔状態によって、標準的なインプラント治療以外に追加の処置が必要になることがあり、これが費用の差につながります。
代表的な追加処置
- 骨造成(GBR、サイナスリフト、ソケットリフトなど)
- 顎の骨が不足している場合に必要となり、追加費用が発生します。
- 歯肉移植(結合組織移植術など)
- より自然な歯肉の形を作るために行われることがあります。
- ガイドサージェリーの有無
- CT撮影データを基に3Dプリンターでガイドを作成し、より正確な埋入を行う方法。精度が高いが、追加費用がかかる。
- 即時負荷(抜歯即時埋入)
- インプラント埋入と同時に仮歯を装着する方法。通常より高い技術が必要なため、費用が上がることがあります。
⑤ 歯科医師の経験・技術料の違い
インプラント治療は高度な技術を要するため、歯科医師の経験や技術力によっても費用が変わります。
- 経験豊富な医師の場合
- 高度な技術を持つ歯科医師が施術する場合、治療の成功率が高く、長期的な安定性が期待できるため、その分費用が高めになることがあります。
- 一般的な歯科医院の場合
- 比較的低価格で提供されることがありますが、経験や設備によっては治療の精度や成功率に差が出る可能性があります。
⑥ クリニックの設備・アフターケアの違い
医院の設備やアフターケアの充実度も、費用に影響します。
- **最新の設備(CT・CAD/CAM・滅菌システムなど)**を導入している医院では、より精密で安全な治療が可能ですが、その分コストが高くなります。
- 保証制度やメンテナンスの有無も費用に影響します。長期間の保証がある医院では、保証料が含まれている場合があります。
まとめ:インプラント費用の違いの主な要因
要因 | 影響する内容 |
---|---|
インプラントのブランド | 有名ブランドほど高価(ストローマン、ノーベルバイオケアなど) |
上部構造の技工料 | 技工所のレベルや使用する素材(ジルコニア、セラミックなど) |
材料の違い | アバットメント、骨補填材、歯肉形成材料など |
治療オプション | GBR、サイナスリフト、ガイドサージェリー、即時負荷など |
歯科医師の技術 | 専門医・経験豊富な医師ほど高価 |
設備・アフターケア | CT、CAD/CAM、滅菌システム、保証制度など |
結論
インプラント治療の費用が医院ごとに異なるのは、使用するインプラントの種類、上部構造の技工料、材料の品質、追加処置の有無、歯科医師の経験、設備やアフターケアなど、さまざまな要因が関係しているためです。単に価格だけで比較するのではなく、品質や技術、保証内容を総合的に判断することが大切です。
インプラント治療を検討する際は、事前にカウンセリングを受け、自分に合った治療法を提案してくれる医院を選ぶようにしましょう。
まとめ
インプラント治療に関して、よくある質問をまとめました。
✅ 治療中の痛みはほとんどなく、術後も痛み止めで対応可能
✅ 治療期間は一般的に3~6ヶ月、骨造成が必要な場合は長くなることも
✅ 骨が少ない場合でも、骨造成手術を行うことでインプラント治療が可能
✅ インプラントは自由診療だが、医療費控除の対象になることも
✅ 保証期間内のトラブルには条件付きで対応可能(定期メンテナンスが必須)
インプラント治療についての不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。
当院では、患者様の不安を解消し、安心・安全なインプラント治療をご提供いたします。
9.まとめ・当院の安心・安全な治療の特徴
インプラント治療は、失った歯を補い、噛む機能や見た目を回復させる優れた治療法です。しかし、「手術が不安」「本当に安全なのか?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。当院では、患者様が安心してインプラント治療を受けられるよう、最新技術と安全対策を整えた治療を提供しています。
患者様に寄り添った治療計画
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を提案いたします。
🔹 十分なカウンセリングを実施
治療を開始する前に、患者様のお悩みやご希望をしっかり伺い、治療の選択肢を丁寧にご説明いたします。無理に治療を勧めることはなく、患者様が納得された上で治療を進めることを大切にしています。
🔹 精密検査と診断の徹底
CTスキャンを用いた詳細な診査を行い、顎の骨の状態や神経・血管の位置を正確に把握し、安全な治療計画を立てます。
🔹 個々のリスクに応じた対応
✅ 骨が少ない場合 → 骨造成(GBR・サイナスリフト)を検討
✅ 痛みや腫れが心配な方 → フラップレス手術(切らないインプラント)の選択
✅ 短期間で治療を終えたい方 → 抜歯即時インプラントの検討
このように、患者様の状態やライフスタイルに合わせた治療計画を提案することで、無理なくインプラント治療を受けられる環境を整えています。
知識が豊富および技術経験豊富な医師による治療
当院では、常にインプラント治療をアップデートし、安全で精密な治療を提供しています。
✅ サージカルガイドを活用した正確な埋入
デジタル技術を活用し、CTデータを基にシミュレーションを行い、誤差のない正確な埋入を実現。これにより、神経損傷やインプラントの脱落リスクを低減し、安全性を高めています。
✅ 低侵襲(ミニマルインターベンション)治療の導入
🔹 **フラップレス手術(切らないインプラント)**で術後の痛みや腫れを最小限に
🔹 SLA ACTIVEなどの最新インプラント表面処理技術で治癒期間の短縮と成功率の向上
✅ 徹底した滅菌対策と院内感染防止
手術器具は**高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)**を使用し、患者様ごとに徹底した消毒を実施。さらに、使い捨て器具の活用や空気清浄システムの導入など、感染リスクを最大限に抑える対策を行っています。
安心して治療を受けるための無料相談のご案内
「インプラントに興味はあるけど不安がある…」
「どんな治療法が自分に合っているのか知りたい」
このようなお悩みをお持ちの方のために、当院では無料相談を実施しています。
✅ 無料相談でできること
✅ インプラント治療の基本的な説明
✅ 患者様のお口の状態に合わせた治療プランのご提案
✅ 費用・期間・リスクについてのご説明
✅ CT撮影(必要に応じて)による精密診断
✅ こんな方におすすめ
🔹 他院で「骨が少なくて難しい」と言われた方
🔹 入れ歯が合わず、しっかり噛める治療を探している方
🔹 痛みや腫れの少ないインプラント治療を希望している方
インプラント治療は、長期的にお口の健康を支える大切な治療です。「もっと早くやっておけばよかった」と思われる方も多くいらっしゃいます。
まずは気軽にご相談頂けますと幸いです。
福岡県福岡市東区香椎駅前2丁目12−54オリジンビル201号
まこと歯科・矯正歯科
電話番号092-692-2963