皆様、こんにちは。まこと歯科・矯正歯科の院長をしております木村誠です。

今日は、インプラント治療が必要になった患者に対して、噛み合わせ診査の重要性をお伝えいたします。

歯を失うということは非常にショックが大きいものです。インプラント治療がない時代は、歯を大きく削ってブリッジをするか部分入れ歯しか選択肢がありませんでした。ブリッジや部分入れ歯は、欠損歯の隣在している歯に負担がかかるため、歯を失うスピードが早くなります。

一方インプラント治療は、隣在歯に負担をかけないため、歯の長持ちにも役立ちます。ただし、インプラント治療が万能というわけではないため、利点を最大限に活かすためにも治療前の診査診断は非常に重要となります。

診査・診断とは簡単にいうと歯が悪くなった原因を調べるということです。単純に不摂生で悪くなる場合もあれば、噛み合わせなどにより歯が悪くなることもあるため、例え１歯のインプラント治療であっても全体的な診査が必要です。

当院で行なっている咬合診査をご紹介致します。

❶模型診査

この模型診査は、上下の型をとり、顎が安定する位置で咬合器に付着したものです。これによりお口の中の状況を口腔外で再現できます。口を直接見るだけでは、わからない情報を沢山調べることができます。例えば、歯のすり減り具合を見たり、歯の長さや幅などを測定することもできます。また早期接触と言って、口を閉じるときに最初に咬合する歯の位置を知ることができます。インプラント治療や矯正治療などの治療をする際には、必須の診査です。

❷セットアップ模型

インプラント治療を初めてする方は、生涯的な設計が必要となります。インプラントを埋入すると、撤去しない限り、その位置を変えることはできません。歯列不正がある方は、インプラントをした後に矯正治療しようとした場合、すでに埋入してあるインプラントが邪魔になってしまうこともあります。

このセットアップ模型は、矯正治療時に歯の移動量を確認し、その治療計画が実現可能かを診査するとともに、インプラント治療をされる方は、インプラントを埋入する位置を決める重要な診査となります。

そのため、矯正治療とインプラント治療が必要な方には、必須の診査となります。

❸診断用Wax Up

１０代で矯正治療をする場合、歯がオリジナルの形をしている（すり減っていたり、被せ物で歯の形が変わっていたりがない）ので、矯正治療単独で治療が終了することも多いです。しかし、年齢を重なると修復物が増え、歯も咬耗などによりすり減っているため、矯正治療をしただけでは、しっかりと噛まないことがあります。そのため矯正治療後、歯の形態を回復する必要があります。この診断用ワックスアップでの診査を行うことにより、被せ物が必要な歯や形態を変化させる必要がある歯を診査することができます。

特に歯並びや噛み合わせを十分に診査することは非常に重要です。以下にその重要性を説明します：

①治療計画の適正化: 歯並びや噛み合わせの状態を正確に把握することで、適切な治療計画を立てることができます。歯並びや噛み合わせに問題がある場合、それらを解決するための手段を含めた包括的な治療計画が必要です。

②インプラントの位置決定: 歯並びや噛み合わせの状態は、インプラントの適切な位置を決定する上で重要です。患者の歯並びや噛み合わせを考慮せずにインプラントを埋入すると、噛み合わせの不良や審美的な問題が生じる可能性があります。

③審美的な結果の向上: 歯並びや噛み合わせの問題がある場合、インプラント治療を行うことでこれらの問題を解決し、審美的な結果を向上させることができます。正しい位置にインプラントを埋入することで、自然な歯並びや噛み合わせを再現することが可能です。

④治療の安全性と長期的な成功率の確保: 歯並びや噛み合わせの問題が未解決のままインプラント治療を行うと、噛み合わせの不均衡や歯周組織の負担が増加し、インプラントの安定性や成功率に影響を与える可能性があります。適切な歯並びや噛み合わせを考慮した治療計画を立てることで、治療の安全性と長期的な成功率を確保することができます。

当院では、矯正医、専門の技工士とともにチームを組み、インプラントや矯正治療をはじめ、総合的な治療を得意としております。

インプラント治療、審美修復治療、矯正治療、を希望される方は、当院までお気軽にお問い合わせ下さい。