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  • 2024.12.14

お口全体で歯がうまく噛み合わず、食べにくさや歯の問題を引き起こしている方へ

お口全体で歯がうまく噛み合わず、食べにくさや歯の問題を引き起こしている方へ

皆様こんにちは。まこと歯科・矯正歯科の木村誠です。

今回のテーマは、『お口全体で歯がうまく噛み合わず、食べにくさや歯の問題を引き起こしている方へ』です。

お口全体で歯がうまく噛み合わず、食べにくさや歯の問題を引き起こしている方へ

食事が楽しめなくなったり、口元に不調を感じたりしていませんか?
「歯が噛み合わず、食べにくい」といったお悩みは、単なる不便さだけでなく、全身の健康や生活の質にも大きく影響を与えます。このような状態は、歯科用語で「咬合崩壊(こうごうほうかい)」とも呼ばれますが、今回は専門用語を使わず、その原因や解決策について詳しく解説します。


なぜ噛み合わせが乱れてしまうのか?考えられる原因

お口全体で噛み合わせが乱れ、問題が起きる原因はさまざまです。以下はその主な理由です:

1. 歯の欠損

1本でも歯が抜けたまま放置すると、噛み合わせ全体に影響を及ぼします。隣接する歯が欠けた部分に傾いたり、上下の歯が伸びてしまい、噛み合わせが不安定になります。

2. 歯周病

歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気で、歯がぐらついたり抜け落ちたりする原因になります。これにより噛み合わせが乱れ、食べにくさが生じます。

3. 虫歯や不適切な修復物

大きな虫歯や適切に治療されていない詰め物・被せ物があると、歯の高さが変わり、全体の噛み合わせが狂うことがあります。

4. 歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりが長期間続くと、歯が摩耗して高さが低くなり、噛み合わせが不均等になります。

5. 不適切な入れ歯や義歯の使用

合わない入れ歯を使用していると、噛む力のバランスが悪くなり、他の歯にも負担がかかります。


解決策と治療法

噛み合わせの乱れによる問題を解決するには、原因に応じた治療法を選択することが重要です。以下に主な治療法を紹介します。


1. 失った歯を補う治療

(1) インプラント

失った歯を補う最も効果的な方法の一つがインプラント治療です。インプラントは人工歯根を顎骨に埋め込み、上に人工歯を固定する治療法です。隣接する歯を削らずに補えるため、噛み合わせを自然に回復させることができます。

  • メリット:自然な噛み心地で長持ちする
  • デメリット:費用が高く、外科手術が必要

(2) ブリッジ

隣接する歯を土台にして、失った歯を補います。ただし、健康な隣の歯を削る必要があるため、慎重な判断が求められます。

治療前のレントゲン

治療後のレントゲン写真 黄色の部分が天然歯のブリッジ、赤い部分がインプラントによるブリッジ

(3) 入れ歯

治療前

治療後 上の歯は、全て抜歯になり総入れ歯になり、下の奥歯は、インプラント治療を行いました。歯の本数は減りましたが、治療前に比べ、しっかり噛めるようになったと満足していただけました。

多数の歯が欠損している場合、入れ歯が適用されることがあります。最近では、目立ちにくく装着感の良い入れ歯も登場しています。


2. 歯周病治療

歯周病が原因の場合、まずは歯周病治療を行い、歯を安定させる必要があります。

  • スケーリング・ルートプレーニング:歯周ポケットに溜まった歯石や汚れを除去する治療
  • 歯周外科治療:進行が著しい場合、外科的に歯周組織を再生する治療を行うこともあります。

歯周病を治療した後で、噛み合わせの再構築を進める流れになります。


3. 咬合調整

噛み合わせを調整することで、全体のバランスを整えます。歯の高さを調整するために、詰め物や被せ物を作り直すことがあります。


4. 矯正治療

歯が動いてしまった結果、噛み合わせが乱れている場合には矯正治療が必要です。

  • ワイヤー矯正:伝統的な方法で歯を正しい位置に戻します。

  • マウスピース矯正:目立たず快適に矯正できる方法で、多くの成人患者にも採用されています。

矯正治療を行うことで噛み合わせが正常に戻り、補綴治療(インプラントやブリッジ)がスムーズに進められることがあります。


5. 咬合再構築

噛み合わせが大きく崩れている場合には、「咬合再構築」という治療が必要になることがあります。これは、全体の噛み合わせを計画的に作り直す治療で、以下のステップを含みます:

1.精密診断:噛み合わせの状態をCTや模型で詳細に確認します。

2.仮歯の装着:噛み合わせをシミュレーションし、患者様と相談しながら最適な形を決定します。

3.最終的な修復:セラミックやジルコニアの被せ物などで最終的に噛み合わせを仕上げます。


6. 生活習慣の見直し

治療だけでなく、日常の習慣を見直すことも重要です。

  • 歯ぎしり防止のマウスピース:睡眠中の歯ぎしりを防ぐことで、歯の摩耗を抑えます。
  • 定期的な歯科検診:早期発見・早期治療が問題の拡大を防ぎます。
  • 正しい噛み合わせの習慣:偏った食べ方や硬すぎる食品を避けるなど、日常のケアを心がけましょう。

最後に

噛み合わせが乱れると、お口全体の健康だけでなく、食事の楽しさや見た目、全身の健康にも影響を及ぼします。しかし、適切な治療を受けることで、多くのケースで改善が可能です。

「どんな状態でも対応してもらえるのだろうか」と不安に思うかもしれませんが、歯科医院はそのような方をサポートするために存在します。お口の中に問題を感じている方は、ぜひ一度専門の歯科医に相談してみてください。最初の一歩を踏み出すことで、噛む喜びや笑顔を取り戻すことができます!

当院では、お口全体の問題を抱えた患者様の治療を積極的に行っております。ぜひお気軽にご相談ください。