- 2024.05.04
重度歯周炎で抜歯になった部位へのインプラント治療
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Before
治療前(抜歯後)
治療前(抜歯後)
治療前
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After
治療後
治療後
治療後
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Before
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After
患者 | 50代男性 |
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主訴・ニーズ | 歯茎から膿が出るので見てほしい |
診断名・症状 | 下顎右側第1大臼歯 根分岐部病変3度 |
抜歯部位 | 下顎右側第1大臼歯 |
治療内容・治療費(自費診療) | インプラント検査27,500円 GBRおよび歯周組織再生療法110,000円 サージカルガイド55,000円 インプラント基本料385,000円 |
治療費総額 | 577,500円 |
治療期間 | 1年 |
来院頻度 | 月1回程度 手術後は週に1〜2回消毒で来院 |
リスク・副作用 | インプラント治療のリスクと副作用は以下の通りです: 手術リスク: 出血や感染 痛みや腫れ 組織の損傷 骨組織への影響: 骨の吸収や骨密度の低下 骨移植や骨再生が必要な場合がある インプラントに関連するリスク: インプラントの統合不全 インプラントの移動や緩み インプラント周囲炎や骨の損失 感覚や機能への影響: 周囲の組織や神経の損傷による感覚の変化 咬合や噛む機能の変化 審美的な問題: インプラント周囲の組織の変色や縮小 インプラントに関連する審美的な不満足感 全身的なリスク: 全身疾患の影響や悪化 インプラント治療に関連した全身的な合併症の可能性 費用や時間のリスク: 高額な治療費用 長期間の治療期間やリカバリー期間の必要性 これらのリスクや副作用は個人によって異なりますので、治療前に詳しく検討し、リスクとメリットをよく理解することが重要です。 |
皆様、こんにちは。まこと歯科・矯正歯科の院長をしております木村誠と申します。
今回は、重度歯周炎により抜歯になった部位にインプラント治療を行なった症例をご紹介致します。
今回の患者様は当院に開業以来メンテナンスで通ってくださる方です。初診の時から下顎右側第1大臼歯は根分岐部病変を有している状態でした。
上記の写真は、下顎右側第1大臼歯部のデンタルレントゲン
上記の写真は、下顎右側第1大臼歯のCT像
根分岐部病変とは、歯根が複数ある歯に起こる歯周病です。歯根と歯根の分岐部に骨吸収を生じている状態です。
根分岐部病変は、重症度が1度から3度まであります。今回の患者様は、3度の状態でありましたが、定期的なメンテナンスとセルフケアにより8年保存することができました。
CT像から歯根尖部まで骨吸収が進行している状態が確認できたことから、保存が難しいと判断し、抜歯をすることになりました。
下顎右側第2大臼歯も歯周ポケットが深くなってきている状態でした。
患者様は、下顎右側第1大臼歯の抜歯後は、インプラント治療を希望されました。また下顎右側第2大臼歯部には歯周病の改善を図るため、歯周組織再生療法を行うこととしました。
抜歯後粘膜が治癒するまで経過を見ました。
切開し剥離すると抜歯窩は、大きな骨吸収があり、また下顎右側第2大臼歯部近心には、垂直性骨欠損がありました。
頬側に一部裂開を認めました。
まずインプラントを埋入し、初期固定は十分得られていました。しかしインプラント周囲には、骨欠損があったため、GBR(骨造成)を行うとともに下顎右側第2大臼歯には、歯周組織再生療法を同時に行うこととしました。
十分止血を行なったあと、リグロスという薬剤を下顎右側第2大臼歯に塗布しました。
さらに骨補填剤を骨欠損部に填入しました。
最後に縫合を行い、1回目の手術を終了しました。
1回目の手術後半年経過し、レントゲンにて骨の再生を認めたため、インプラントの2次手術を行うことととしました。
切開剥離し、インプラント周囲並びに歯周組織再生療法を行なった下顎右側第2大臼歯の近心に骨様の硬組織を認めました。
角化組織を確保するために、頬側に粘膜を移動させ縫合を行い、2次手術を終了した。
上部構造装着時の口腔内写真およびデンタルレントゲン写真です。インプラント周囲には、硬組織(骨)と軟組織(角化組織)の確保ができました。
歯周病は、炎症により骨が吸収する病気です。非常に自覚症状が少ないのが特徴です。歯周病により抜歯をした部分にインプラント治療をする場合は、適切なタイミングをみて治療を開始する必要があります。
当院では、歯周病を罹患している患者様にも、様々な治療法を駆使し、インプラント治療を行なっております。
インプラント治療を検討されている方は、当院までお気軽にご相談ください。