歯周病治療

  • 2024.10.15

短い奥歯、歯ぐきの腫れに対する治療

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    短い奥歯、歯ぐきの腫れに対する治療

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    短い奥歯、歯ぐきの腫れに対する治療

患者 20代女性
主訴・ニーズ 歯茎が腫れて痛い
診断名・症状 受動萌出不全
治療内容・治療費(自費診療) 歯肉剥離掻爬術 歯肉切除術
治療費総額 保険治療
治療期間 3ヶ月
来院頻度 週1回程度
リスク・副作用 歯冠長延長術(クラウンレングスニング術)は、歯の修復や審美的改善のために行われる外科的手術ですが、他の外科的処置と同様に、いくつかのリスクや副作用があります。以下にその主なリスクと副作用をまとめます。 1. 出血 手術中および手術後に出血が起こる可能性があります。通常は軽度であり、圧迫止血や縫合によって制御されますが、まれに長引く出血が発生することもあります。 2. 感染 外科手術後には感染のリスクがあります。術後の口腔内の衛生状態が不十分な場合や、抗生物質の使用が適切でない場合に発生することがあります。感染が起こると、手術部位が腫れたり、痛みが増したりします。 3. 歯肉の退縮 手術後、歯肉が退縮する(歯茎が下がる)可能性があります。これにより歯根が露出し、審美的な問題や歯の敏感さが増すことがあります。 4. 歯の感覚過敏 手術後に歯肉が後退し、歯の根が露出することで、冷たい食べ物や飲み物に対して歯が敏感になることがあります。これは一時的なこともあれば、長期間続く場合もあります。 5. 審美的な問題 特に前歯部で行われた場合、歯肉ラインが不均一になったり、歯根が見えてしまうことで、審美的な結果が期待通りに得られないことがあります。 6. 痛みと不快感 手術後に数日間痛みや不快感が続くことがあります。これには鎮痛薬で対処できますが、痛みが長引く場合や急激に増す場合は、感染や他の合併症が疑われます。 7. 術後の腫れ 手術後に顔や歯肉が腫れることがあります。これは通常、手術から数日以内に最大になり、その後徐々に改善します。冷やすことで腫れを抑えることが可能です。 8. 歯の動揺 まれに、手術により歯を支える骨や歯周組織が変化し、一時的に歯が緩むことがあります。特に歯周病が進行している場合、このリスクが高くなります。 9. 歯の位置の変化 手術後、歯が少し移動したり、隣接する歯との噛み合わせが変わることがあります。これにより、さらなる調整が必要になる場合があります。 10. 治癒不全 まれに、手術部位の治癒が予想よりも遅れることがあります。特に喫煙者や糖尿病患者など、治癒能力が低下している人において、このリスクが高まります。 11. 隣接歯への影響 手術中に隣接する歯やその周囲の組織が損傷する可能性があります。これにより、隣接する歯に問題が生じることがあります。 12. 歯肉の瘢痕形成 手術後、歯肉に瘢痕(傷跡)が残ることがあります。これは、審美的に問題となる場合がありますが、通常は目立たないことが多いです。 13. 再発の可能性 十分な歯冠の長さが確保されなかった場合、再度手術が必要になることがあります。また、歯肉が元の位置に戻ってしまう「歯肉再付着」という現象もあります。 まとめ 歯冠長延長術は、歯の機能や審美性を向上させるために有効な手術ですが、以下のようなリスクや副作用があることを理解することが重要です。 出血や感染 歯肉の退縮や感覚過敏 審美的な問題 術後の痛みや腫れ 歯の動揺や位置の変化 適切な術後ケアや医師の指導に従うことで、これらのリスクを最小限に抑えることができますが、手術の前にリスクと利益を十分に検討することが大切です。

皆様、こんにちは。まこと歯科・矯正歯科院長の木村誠です。

今回ご紹介するのは、歯ぐきの腫れを主訴に来院された患者様への治療症例となります。

写真は、右上の奥歯の内側(口蓋側)になります。第2大臼歯(写真の一番右側にある歯)は、親知らずを除くと一番最後に萌出してくることが多いため、スペースが少なく、このように歯冠の一部しか萌出できない場合があります。そのため、歯冠周囲は磨きにくく、プラークが残りやすくなるため、歯肉が腫れてしまいます。

歯周ポケットを測定すると7mm(正常値3mm以下)あることが分かります。

レントゲンを確認すると周囲の骨の吸収はほぼ認めません。これから歯周病ではないことがわかります。

これらの所見から受動萌出不全および歯肉炎の急発であると診断しました。

※「受動萌出不全」は、歯が自然に生えてくる際に起こる問題の一つで、歯は正しい位置にあるものの、歯ぐきが十分に下がらずに歯が十分に見えない状態を指します。

通常、歯が生えた後、歯ぐきは自然に少しずつ下がり、歯の大部分が見えるようになります。しかし、この「受動的な歯ぐきの後退」がうまくいかない場合、歯が短く見えたり、歯ぐきが覆いかぶさっているように見えます。これが「受動萌出不全」です。

受動萌出不全に対する治療は、歯肉切除術という歯周病の手術の一種を行います。

歯肉を切除し、縫合した状態です。

手術後4ヶ月経過時では、歯肉の上に十分歯が見えるようになり、歯磨きがしやすくなりました。

この症例のように完全に歯が萌出できない場合、歯肉が腫れやすく、虫歯にもなりやすい状態です。また虫歯になってしまうと治療が非常に難しくなることがあります。

当院は、歯周病の治療を得意としておりますので、歯周病でお困りの方は、当院までお気軽にご相談下さい。

最後に今回行った歯肉切除術の適応症について説明します。

歯肉切除術は、過剰な歯肉組織を外科的に切除する処置で、審美的および機能的な目的で行われることがあります。以下は、歯肉切除術の主な適応症(手術が必要となる状況)についてまとめたものです。

1. 歯肉肥大(歯肉増殖)

  • 原因: 歯肉が過剰に成長し、歯を覆ってしまう状態。薬の副作用(特に抗けいれん薬や免疫抑制剤、降圧薬)、遺伝的要因、あるいは慢性的な炎症が原因となります。
  • 治療目的: 見た目を改善し、適切な口腔衛生を維持するために行います。歯肉が厚くなることで、歯磨きやフロスがしにくくなり、歯周病のリスクが高まります。

2. ガミースマイル(歯肉の過剰露出)

  • 原因: 笑った時に歯肉が過剰に露出し、審美的な問題を引き起こす状態。歯肉が歯の表面を覆いすぎている場合や、歯が短く見える場合に発生します。
  • 治療目的: 歯肉の一部を切除して、歯をより長く見せ、自然な笑顔を作るために行われます。

3. 歯周病治療

  • 原因: 歯周病が進行すると、歯肉が炎症を起こし、歯周ポケットが深くなることがあります。この深いポケットには、プラークや細菌が溜まりやすくなり、治療が難しくなります。
  • 治療目的: 歯周ポケットを浅くし、歯周病の進行を抑えるために、歯肉の一部を切除します。これにより、歯周病の症状をコントロールしやすくします。

4. 歯冠長延長術の一環として

  • 原因: 修復治療(クラウンやブリッジなど)を行う際に、歯冠が十分に露出していないと適切に修復できません。
  • 治療目的: 歯肉を切除し、歯冠をより多く露出させて、適切なクラウンやブリッジを装着できるようにします。

5. 歯の修復のための前処置

  • 原因: 虫歯や外傷によって歯の一部が歯肉の下に隠れてしまった場合、修復が難しくなります。
  • 治療目的: 修復物(クラウンや詰め物)をしっかり装着するために、歯肉を切除して歯の部分を露出させます。

6. 過剰な歯肉組織が原因で審美的または機能的に問題がある場合

  • 原因: 不正咬合や遺伝的な理由、歯肉組織が過剰に増殖する場合など。
  • 治療目的: 見た目の改善とともに、噛む機能の回復や口腔衛生の維持を助けるために行われます。

7. 矯正治療後の歯肉調整

  • 原因: 矯正治療後に歯肉が不均一に見える場合、特に前歯部で審美的な問題が生じることがあります。
  • 治療目的: 歯肉を整え、均一で美しい歯肉ラインを作るために行います。

8. 口腔内腫瘍や病変の切除

  • 原因: 良性の腫瘍や病変(フィブローマ、エプーリスなど)が歯肉に発生することがあります。
  • 治療目的: これらの病変を除去し、組織の検査を行って、健康状態を確認するために行います。

まとめ

歯肉切除術は、機能的な問題を改善し、口腔内の健康を保つため、また審美的な理由で行われることがあります。適応症としては、歯肉肥大、ガミースマイル、歯周病治療、歯冠長延長術、修復前処置、腫瘍の除去などが挙げられます。