- 2024.10.16
手術回数1回。腫れ、痛みが少ないインプラント治療(治療期間4ヶ月)
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Before
治療前
治療前
治療前
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After
治療後
治療後
治療後
患者 | 女性 |
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主訴・ニーズ | インプラントをしたい。 |
診断名・症状 | 下顎右側第1大臼歯重度う蝕 |
抜歯部位 | 下顎右側第1大臼歯 |
治療内容・治療費(自費診療) | 抜歯 インプラント |
治療費総額 | 467,500円(税込) |
治療期間 | 4ヶ月 |
来院頻度 | 月1回程度 |
リスク・副作用 | インプラント治療のリスクと副作用は以下の通りです: 手術リスク: 出血や感染 痛みや腫れ 組織の損傷 骨組織への影響: 骨の吸収や骨密度の低下 骨移植や骨再生が必要な場合がある インプラントに関連するリスク: インプラントの統合不全 インプラントの移動や緩み インプラント周囲炎や骨の損失 感覚や機能への影響: 周囲の組織や神経の損傷による感覚の変化 咬合や噛む機能の変化 審美的な問題: インプラント周囲の組織の変色や縮小 インプラントに関連する審美的な不満足感 全身的なリスク: 全身疾患の影響や悪化 インプラント治療に関連した全身的な合併症の可能性 費用や時間のリスク: 高額な治療費用 長期間の治療期間やリカバリー期間の必要性 これらのリスクや副作用は個人によって異なりますので、治療前に詳しく検討し、リスクとメリットをよく理解することが重要です。 |
皆様こんにちは。まこと歯科・矯正歯科の院長をしております木村誠です。
今回は、重度の虫歯になった大臼歯(奥歯)を抜歯し、同時にインプラント治療を行った症例をご紹介致します。
痛みや腫れが少なく、治療期間も短期間にすることができた症例となります。
初診時の右下第1大臼歯です。重度に虫歯が進行し、抜歯の適応と診断しました。
レントゲン写真からも保存ができないことが分かります。抜歯後はインプラント治療を希望されました。
歯は、虫歯により大きく崩壊しておりましたが、周囲の骨は十分あるため抜歯即時インプラントの適応と判断しました。
抜歯を行い、レントゲンで歯が残っていないかを調べます。
インプラントを埋入し、十分な初期固定を得ることができたので、ヒーリングアバットメント(仮の土台)を装着することでインプラントの手術回数を減らすことができました。
インプラントが適正な位置に埋入されているかをレントゲンを撮影し確認します。
抜歯と同時にインプラントを行うので、抜歯した部分とインプラント周囲には隙間があります。ここには骨補填剤を入れることで骨が再生します。
縫合し、インプラント手術を終了しました。
インプラント手術後3ヶ月の状況です。経過良好のため、上部構造(インプラントの被せ物)の型取りを行いました。
上部構造装着時の口腔内写真。天然歯と見分けがつかない仕上がりです。
上部構造装着時のレントゲン写真です。骨の再生も確認できました。
当院では、条件が良い場合は、積極的に抜歯即時インプラント治療を行っております。最後に抜歯即時インプラント治療の利点・欠点・注意点について説明します。
抜歯即時インプラント治療は、歯を抜いたその日に同じ部位にインプラントを埋入する治療法です。従来のインプラント治療では、抜歯後に骨の回復を待ってからインプラントを埋入しますが、この方法では時間を短縮することができ、特定の条件下では非常に効果的です。以下に、抜歯即時インプラント治療の利点、欠点、および注意点を詳しく説明します。
利点(メリット)
- 治療期間の短縮
- 抜歯後すぐにインプラントを埋入するため、治療期間が大幅に短縮されます。通常のインプラント治療では、抜歯後に数ヶ月間待つ必要がありますが、即時インプラントではこの待機期間が不要です。
- 骨の吸収を最小限に抑えられる
- 歯を抜いた後、周囲の骨は自然に吸収される傾向があります。即時インプラントは、抜歯後すぐにインプラントを埋入することで、骨吸収を抑制し、骨のボリュームを保つ効果があります。
- 審美的メリット
- 特に前歯部での治療では、歯肉のラインや見た目が重要です。即時インプラントは、抜歯後すぐに行うため、審美的な結果を維持しやすいです。仮歯を装着することで、治療期間中も自然な見た目を保つことができます。
- 外科的処置の回数が減少
- 抜歯とインプラント埋入を同時に行うため、患者が経験する外科手術の回数が1回で済みます。これにより、患者の身体的負担や痛み、手術後の不快感が軽減されます。
- 治療費の削減
- 外科処置の回数が減ることにより、治療全体の費用が削減されることがあります。例えば、追加の骨移植や歯肉移植などの処置が不要になる場合があります。
欠点(デメリット)
- インプラントの安定性が低いことがある
- 抜歯後の骨の状態によっては、即時にインプラントを埋入しても十分な初期固定が得られないことがあります。骨が不十分な場合、インプラントが不安定になる可能性があります。
- 感染リスク
- 抜歯したばかりの部位には感染リスクが存在します。抜歯後の炎症や感染がインプラントに影響を与える可能性があるため、術後のケアが非常に重要です。
- 審美的な結果が保証されない場合がある
- 歯ぐきや骨の状態が不十分だと、審美的な問題が発生することがあります。特に前歯の治療では、歯ぐきのラインやインプラント周囲の見た目に影響を与える可能性があります。
- 追加の処置が必要になる可能性がある
- 即時インプラントが成功しない場合、追加の骨移植や手術が必要になることがあります。特に、骨が十分に形成されていない場合、骨移植や歯肉移植を行わなければならないことがあります。
- 適応症に限界がある
- 即時インプラントが可能なのは、全てのケースではありません。抜歯する部位の骨の状態や歯周病の進行具合、患者の健康状態などによっては、この治療法が適さない場合があります。
注意点
- 術前の適切な診断
- 抜歯即時インプラント治療を行うためには、事前に詳細な診断が必要です。特に、骨の状態(骨の量や質)、歯周組織の健康状態、患者の全身的な健康状態(糖尿病や喫煙など)が重要です。3D画像(CTスキャンなど)を用いた詳細な診断が行われます。
- 適応症の判断
- 抜歯即時インプラントは、すべての患者やすべての歯に適しているわけではありません。以下の条件が揃っていることが推奨されます:
- 抜歯する歯に感染や炎症がないこと
- 骨の量や質が十分であること
- 周囲の歯周組織が健康であること
- 抜歯即時インプラントは、すべての患者やすべての歯に適しているわけではありません。以下の条件が揃っていることが推奨されます:
- 術後のケア
- 術後のケアは非常に重要です。インプラントの安定化や感染予防のために、医師から指示される口腔衛生管理や定期的なフォローアップが必要です。また、喫煙はインプラント治療の成功率を大きく下げるため、禁煙が推奨されます。
- 術後の安静と食事管理
- インプラントが安定するまでの期間は、固いものを食べることや噛む力をかけることを避ける必要があります。術後しばらくは柔らかい食事を心がけ、治療部位を守ることが重要です。
- 長期的なメンテナンス
- インプラントは天然の歯と同様に、長期的なケアが必要です。定期的な歯科検診やクリーニングを受け、インプラント周囲の歯肉や骨が健康な状態を保つことが求められます。
まとめ
利点としては、治療期間が短縮され、審美的な改善や骨吸収の抑制などが挙げられますが、欠点としてはインプラントの安定性や感染リスクなどが存在します。また、全ての患者が適応ではないため、適切な診断と治療計画が非常に重要です。