歯周病治療

  • 2024.06.24

上の前歯の歯周病に対して歯周組織再生療法を行なった症例

  • Before

    上の前歯の歯周病に対して歯周組織再生療法を行なった症例

  • After

    上の前歯の歯周病に対して歯周組織再生療法を行なった症例

患者 20代女性
主訴・ニーズ 歯周病を治療したい
診断名・症状 上顎前歯部に歯周病により垂直性の骨欠損を生じている
治療内容・治療費(自費診療) 歯周再生療法 110,000円(税込)
治療費総額 110,000円(税込)
治療期間 半年
来院頻度 手術後1ヶ月は週1−2回程度 その後は月1回程度
リスク・副作用 リスク 感染症: 手術部位が細菌に感染するリスクがあります。感染すると、炎症や腫れ、痛みを引き起こす可能性があり、場合によっては追加の治療が必要になることがあります。 治療失敗: 組織の再生が思うように進まない場合があります。これは個々の体質や口腔内の環境、手術後のケアなどに依存します。特に重度の歯周病の場合、再生が十分に達成されないことがあります。 歯の動揺: 治療過程で歯が一時的に不安定になることがあります。これは再生中の組織が完全に固定されていないためです。場合によっては、固定装置が必要になることもあります。 合併症の発生: 手術に伴う合併症として、血腫、出血、術後の疼痛などが発生することがあります。これらの合併症は通常一時的ですが、重症化する場合もあるため注意が必要です。 副作用 痛みと不快感: 手術後には一時的な痛みや不快感が生じることがあります。これは通常、数日から1週間程度で軽減しますが、痛み止めが必要な場合もあります。 腫れ: 手術部位およびその周辺に腫れが生じることがあります。これは体の自然な反応であり、通常は数日で引くことが多いです。 知覚過敏: 歯根が一時的に露出することにより、冷たいものや熱いものに対して歯が敏感になることがあります。この症状は時間とともに改善することが多いです。 薬剤の副作用: 歯周組織再生療法では、成長因子や骨移植材などを使用することがあります。これらの材料に対してアレルギー反応や拒絶反応が起こることがあります。 注意点と対策 術後のケア: 治療後の口腔ケアが非常に重要です。適切なケアを行うことで、感染のリスクを減らし、治癒を促進することができます。歯科医の指示に従い、定期的な診察を受けることが推奨されます。 健康管理: 全身の健康状態も治療の成功に影響を与えます。特に糖尿病などの慢性疾患がある場合、術後の回復が遅れることがありますので、事前に歯科医に相談することが重要です。 禁煙: 喫煙は治療の成功を妨げる大きな要因です。喫煙者は術前および術後に禁煙することが強く推奨されます。 結論 歯周組織再生療法は、失われた歯周組織を再生するための効果的な治療法ですが、リスクや副作用も存在します。治療を受ける前に、これらの点について歯科医と十分に相談し、理解することが重要です。適切な術後ケアと健康管理により、リスクを最小限に抑え、治療の成功率を高めることができます。

皆様こんにちは。まこと歯科・矯正歯科の院長をしております木村誠です。

今回は、上顎前歯部に歯周病による垂直性の骨欠損を生じている患者様に歯周組織再生療法を行なった症例をご紹介致します。

治療前の口腔内写真です。上の前歯の部分を見ても歯周病があるようには見えません。しかしレントゲンと歯周組織検査から歯周病を発症していることが分かりました。

上のレントゲン写真は、右上の側切歯(正面から数えて2番目の歯)部のものとなります。黄色の丸で囲まれた部分に垂直的な骨吸収(レントゲン状黒く映る)を認めました。

垂直的な骨吸収は、進行が早く治りにくい歯周病です(下記に垂直性の骨欠損をもつ歯の10年後の歯の喪失率に関する論文を示します)。早めに対応しなければなりません。

垂直性の骨欠損は水平性の骨欠損に対し、歯周組織再生療法が奏功しやすいと言われています。

歯肉を切開・剥離すると歯石がありましたので、しっかり除去し、不良肉芽もきちんと掻爬しました。

骨欠損部を明示することができました。

リグロスという薬剤と骨補填剤を用いて歯周組織再生療法を行いました。

その後、上皮の侵入を防ぐ目的で、吸収性の遮蔽膜を留置し縫合に移りました。

縫合した直後の正面からの写真です。

再生療法後は歯の動揺を抑えるために固定が必要です。今回は、審美的な配慮から裏側(口蓋側)にワイヤーにて固定を行いました。ワイヤーによる固定を半年間行います。

半年経過後の口腔内写真です。歯肉退縮もなく良好な歯肉の状態です。

レントゲンの評価でも術後は骨様の不透過像(レントゲンで白く映る)を認めました。歯周ポケットも3㎜以下になり正常な数値になりました。

リスク

  1. 感染症: 手術部位が細菌に感染するリスクがあります。感染すると、炎症や腫れ、痛みを引き起こす可能性があり、場合によっては追加の治療が必要になることがあります。
  2. 治療失敗: 組織の再生が思うように進まない場合があります。これは個々の体質や口腔内の環境、手術後のケアなどに依存します。特に重度の歯周病の場合、再生が十分に達成されないことがあります。
  3. 歯の動揺: 治療過程で歯が一時的に不安定になることがあります。これは再生中の組織が完全に固定されていないためです。場合によっては、固定装置が必要になることもあります。
  4. 合併症の発生: 手術に伴う合併症として、血腫、出血、術後の疼痛などが発生することがあります。これらの合併症は通常一時的ですが、重症化する場合もあるため注意が必要です。

副作用

  1. 痛みと不快感: 手術後には一時的な痛みや不快感が生じることがあります。これは通常、数日から1週間程度で軽減しますが、痛み止めが必要な場合もあります。
  2. 腫れ: 手術部位およびその周辺に腫れが生じることがあります。これは体の自然な反応であり、通常は数日で引くことが多いです。
  3. 知覚過敏: 歯根が一時的に露出することにより、冷たいものや熱いものに対して歯が敏感になることがあります。この症状は時間とともに改善することが多いです。
  4. 薬剤の副作用: 歯周組織再生療法では、成長因子や骨移植材などを使用することがあります。これらの材料に対してアレルギー反応や拒絶反応が起こることがあります。

注意点と対策

  1. 術後のケア: 治療後の口腔ケアが非常に重要です。適切なケアを行うことで、感染のリスクを減らし、治癒を促進することができます。歯科医の指示に従い、定期的な診察を受けることが推奨されます。
  2. 健康管理: 全身の健康状態も治療の成功に影響を与えます。特に糖尿病などの慢性疾患がある場合、術後の回復が遅れることがありますので、事前に歯科医に相談することが重要です。
  3. 禁煙: 喫煙は治療の成功を妨げる大きな要因です。喫煙者は術前および術後に禁煙することが強く推奨されます。

結論

歯周組織再生療法は、失われた歯周組織を再生するための効果的な治療法ですが、リスクや副作用も存在します。治療を受ける前に、これらの点について歯科医と十分に相談し、理解することが重要です。適切な術後ケアと健康管理により、リスクを最小限に抑え、治療の成功率を高めることができます。

当院では、歯周組織再生療法を含む歯周病に対する外科的治療も行っております。歯周病でお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。