- 2024.04.17
反対咬合(受け口)で生まれつき奥歯の永久歯が少ない方に矯正治療とインプラント治療を行なった症例
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Before
治療前 正面
治療前 下顎
治療前
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After
治療後 正面
治療後 下顎
治療後
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Before
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After
患者 | 20代女性 |
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主訴・ニーズ | 噛み合わせ(反対咬合)を綺麗にしたい。生まれつき下の奥歯がない部分があるためインプラントをして欲しい。 |
診断名・症状 | 潜在的病的咬合 下顎両側第2小臼歯欠損 |
抜歯部位 | 左下第2乳臼歯 |
治療内容・治療費(自費診療) | 矯正治療 インプラント(サージカルガイド55,000円、インプラント基本料金385,000円) |
治療期間 | 約2年 |
来院頻度 | 月1回程度 |
リスク・副作用 |
矯正歯科治療中に歯の動く痛みを生じることがあります 矯正歯科治療中に歯肉腫脹や歯肉退縮が起こることがあります 矯正歯科治療中に知覚過敏を生じることがあります 矯正歯科治療後に咬合変化が生じることがあります |
この症例のように噛み合わせに不具合がある方にインプラント治療を行う場合はもちろんのこと、歯並びや噛み合わせを十分に診査してもらうことは非常に重要です。以下にその重要性を説明します:
- 治療計画の適正化: 歯並びや噛み合わせの状態を正確に把握することで、適切な治療計画を立てることができます。歯並びや噛み合わせに問題がある場合、それらを解決するための手段を含めた包括的な治療計画が必要です。
- インプラントの位置決定: 歯並びや噛み合わせの状態は、インプラントの適切な位置を決定する上で重要です。患者の歯並びや噛み合わせを考慮せずにインプラントを埋入すると、噛み合わせの不良や審美的な問題が生じる可能性があります。
- 審美的な結果の向上: 歯並びや噛み合わせの問題がある場合、インプラント治療を行うことでこれらの問題を解決し、審美的な結果を向上させることができます。正しい位置にインプラントを埋入することで、自然な歯並びや噛み合わせを再現することが可能です。
- 治療の安全性と長期的な成功率の確保: 歯並びや噛み合わせの問題が未解決のままインプラント治療を行うと、噛み合わせの不均衡や歯周組織の負担が増加し、インプラントの安定性や成功率に影響を与える可能性があります。適切な歯並びや噛み合わせを考慮した治療計画を立てることで、治療の安全性と長期的な成功率を確保することができます。
上記の写真は、治療前の口腔内写真です。かろうじて正面の歯が下の前歯と咬合していますが、それ以外の前歯は、噛んでいないのがお分かりになっていただけると思います。
左側から見た口腔内のです。ほとんど噛んでいないことが分かります。咬合している歯の数が少ない場合、その咬合している歯に大きな負担がかかるため、虫歯・歯周病などを発症した場合、重篤化してしまうリスクが大きくなります。
向かって左側(実際は右側)の奥歯が欠損していることが分かります。
治療前のレントゲン写真ですが、左下の奥歯も永久歯が欠損しており、乳歯が残存しています。
一般的な傾向として、反対咬合(受け口)の方は、前歯がしっかりと咬合しないため、奥歯に非常に大きな負担がかかり、奥歯を失うリスクが高いと言われております。
この状況で、永久歯が欠損している下顎の奥歯にインプラント治療を行なっても、長期的な安定を得ることは難しいと判断し、矯正治療により噛み合わせを整え、欠損部にはインプラント治療をすることとしました。
治療後の正面からの写真です。前歯の被蓋関係(前後的、上下的な位置関係)が改善し、前歯が全体的に噛んでいることが分かります。
治療後の左側から見た口腔内ですが、治療前に比べ、前歯から奥歯までしっかりと咬合していることが分かります。
右側から見た、治療後の口腔内写真です。欠損部にはインプラント治療を行い、左と同様に前歯から奥歯までしっかり咬合しているのが分かりまります。
治療後の下顎の状態です。左下も乳歯を抜歯し、インプラント治療を行いました。
上記2枚の写真は右下のインプラント部の口腔内写真およびレントゲン写真です。
上記2枚の写真は、左下の奥歯のインプラント治療後の口腔内写真およびレントゲン写真です。
噛み合わせは、お口の中が安定する上で非常に重要です。前歯が機能することで奥歯は守られ、また奥歯によるしっかりとしたサポートがあるからこそ前歯が守られます。いずれかの機能が失われるといずれかの部分に大きな負担がかかるため、悪くなり始めると口腔内が崩壊していく可能性があります。
インプラント治療は、欠損している部分にただ埋入するだけでは、長期的な安定を得られないことがあります。そのためインプラント治療を行う際は、歯が失われた原因を追及し、全体的に診査する必要があります。