- 2024.07.09
すきっ歯(空隙歯列)に対する治療法②
皆様こんにちは。まこと歯科矯正歯科の院長をしております木村誠です。
今回は、すきっ歯に対する治療法②をご紹介致します。宜しければ、すきっ歯に対する治療法①も読んで頂きますと幸いです。
すきっ歯(空隙歯列)は、歯の間に隙間ができる状態を指します。この状態の治療法はいくつかありますが、患者の年齢、隙間の大きさ、原因、個々のニーズによって最適な治療法は異なります。以下に代表的な治療法を詳しく説明します。
5.筋機能訓練
方法:口腔周囲筋を鍛えることで、口唇をしっかり閉じれるようにします。
あいうえべ体操や舌を適切な位置に保つ運動をすることで訓練します。
治療後の口腔内写真です。前歯が舌癖(舌を前に押し出す癖)により前方に突出していたため、口唇を閉じにくくなっていました。矯正治療により隙間を閉じることで口唇閉鎖をしやすい環境を整えました。安静時舌が適切な位置にくるように訓練することが必要であり、さらに口の周りの口輪筋という筋肉を鍛えるよう筋機能訓練を行なう必要があります。
メリット
・筋機能訓練は費用はかからない
デメリット
・矯正治療が必要になることがある。
・癖はなかなか治らないため、意識して口を閉じる訓練が必要がある。
6.補綴治療
方法:被せ物(クラウン)をすることで歯の形を変える。
咬合崩壊(全体的にお口の中に問題が生じている状態)を起こしている場合、奥歯で噛めなくなります。そのため前歯に負担がかかり、前歯が前に倒れ、突き出てしまうために隙間ができてしまいます。咬合再構成を行い、奥歯でしっかりと噛めるようにすることと、隙間の部分は補綴治療で対応することがあります。
治療前(下の前歯に一部隙間を認めます。)
治療後(奥歯は、精密な義歯を装着し、治療前隙間があった部分はジルコニアセラミックにより歯の形態を修正することで隙間を閉じました。)
メリット
・咬合が回復できる。(しっかりと食事を取れるようになる)
デメリット
・治療期間が長い
・費用が高額
7.歯周病治療
方法:日常生活における歯ブラシの徹底、歯石取り、歯周外科処置等を行い、炎症を抑える。
治療前(上顎中切歯間に隙間を生じています。)
治療後(上顎中切歯間の隙間は閉じました。)
歯周病は、口腔内にいる歯周病菌による細菌感染症であり、骨が溶けていく病気です。歯を支える歯槽骨がなくなると歯がグラグラし始め、位置が変わってしまうことがあるため、この症例のように歯と歯の間に隙間を生じてしまうことがあります。上記の症例は、矯正治療は全くしておらず歯磨きの仕方の見直しと歯石取りを行なっただけで隙間が閉じました。
メリット
・歯周病の進行を停止もしくは遅延することができる
デメリット
・治療期間が比較的長い
・治療後もメインテナンスが必要
・歯周病治療だけでなく矯正治療が必要になることがある。
治療後の口腔内写真です。前歯が舌癖(舌を前に押し出す癖)により前方に突出していたため、口唇を閉じにくくなっていました。矯正治療により隙間を閉じることで口唇閉鎖をしやすい環境を整えました。さらに口の周りの口輪筋という筋肉を鍛えるよう筋機能訓練を行なっていただきました。
ご覧いただけましたようにすきっ歯(空隙歯列)に対する治療法は様々です。すきっ歯(空隙歯列)ができる原因も様々であるため、まずはその原因を追求し、それに対応する治療法を選択する必要があります。
もしすきっ歯(空隙歯列)で悩まれている方がいらっしゃいましたら、当院までお気軽にお問い合わせ下さい。